パルテア

先日の自動車修理工場で一通りの整備を終えた911は、飛び出たライトの可愛らしい外見に拘らず、オートバイのような乾いた獰猛なエンジン音を立てている。

さっそく、いつものワイングロードの峠道コースにこのポルシェを連れて行くことにした。

乗ってみるとリアに搭載された2.4リッター水平対向フラット6のエンジンは、非常にフレキシブルで、アクセルを踏むと前進し、アクセルを戻すとエンジンブレーキで減速する。

まるでゴーカートに乗っているかのような車との一体感は、まさにポルシェを着るという表現がピッタリだ。

いつもの峠道を、法定速度の倍以上のスピードでスムーズにコーナリングしていると、自分の運転技術が大幅に向上したかのような錯覚に陥る。

調子に乗ってスピードを上げていると、コントロールを失いスピンして、車はクルクルとコマのように回転して迫る崖壁にヒヤリとした。

しばらく峠道を走っていると、後ろから何台ものポルシェ911が続いて迫ってきた。

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