パルテア

みんなとほんの数秒遅れて、アクセル全開でスタートしたが、それから最後尾のポルシェのテールが見えたのは、スタートしてから１時間後だった。

最後尾の車に追いついても、このヒルクライムをテールを綺麗に流しながら走る狼達には、ついて行くのがやっとだった。

山頂の山小屋に着くと、オーナーらしきシェフ姿の老人が、大型犬と一緒に玄関で出迎えてくれた。

この小さなレストラン「St.ベルナルド」は、オーベルジュと言って宿泊設備を備えたレストランで今日は我々で貸し切り状態だ。

店内に入るとレースやレーシングカーの写真が、壁、通路、階段にところ狭しと飾ってある。

聞くとオーナーはカレラ・パナメリカーナで、あの伝説のレーシングドライバーファンジオとの交戦歴を持つレーシングドライバーだったそうだ。

シェフ自慢のフランス料理に至福のひと時の後、リーダーからは宿泊を勧められたが、みんなには別れを告げ一人で峠道を下った。

帰りの道は高速道路を使う別ルートで、のんびり行くことにした。高速道路のインターチェンジを入る頃になると、日も暮れ暗い高速棟路をひたすら走っていると、後方からすさまじい速度で迫って来るライトがあった。

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